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教室に入ると、美佐が飛びついて来た。
「ちっとせー!おはよ!」
「おー、美佐早いじゃん」
「まあねー、ようやくちとせがラブな女の子に会えると思ったら、美佐昨日から心臓bバクバクだよーっ」
「あっそ」
「もー、ちとせだって楽しみなくせに!」
美佐は俺にチョップを入れながら笑った。
そこにサトがやってきた。
「お前らまたじゃれ合ってたのかよ?」
「うっせー、そんなんじゃねーし」
「峰島のバカ!」
「へーへー」
サトは眠たそうにあくびをした。
そんなサトを、美佐が見つめている。
今、美佐はサトに絶賛片思い中なのだ。
それくらい、時間は流れたってこと。
俺たちはギクシャクすることもなく友達に戻り、美佐はサトに恋をした。
「葵ちゃん久しぶりだなー。変わったのかなー」
「葵ちゃんって誰!?」
「あ、違った、真央ちゃんか」
「だから、誰!?」
「落ち着けって美佐、それがその女の子の名前なんだって」
「なあんだ」
サトが不思議そうに美佐を見て、それがどうかしたかと首をかしげた。
美佐は顔を真っ赤にして首を振り、なんでもないのと叫んだ。
事情を知っている俺が噴き出すと、美佐は俺を叩き、サトはますます首をひねった。
「お前らー、入場開始時間になるから予行の時と同じように並べー」
クラス担任のイチが大声で言って、俺たちは素直にそれに従った。

