「ちとせ、起きなさーい!遅刻するわよ!卒業式に寝坊だなんて、かっこ悪いでしょう!」 「うっせーなあ、もう起きましたってば!」 俺はブレザーのそでに腕を通しながら、リビングに向かって言った。 「はよー……って、焦げくさ!」 「ちょっと焦げちゃったのよ。まあ平気でしょ?」 「ちょっとレベルじゃねえだろ!」 母さんは俺の様子に眉をしかめた。 「あら、そりゃあ母さんはちとせと違って料理が下手くそですよ」 「わかってんなら無理してやるなっつー話!」 俺は笑いながら焦げた目玉焼きを食べた。