こうしていると葵は本当にただの女の子にしか見えない。 それでついつい忘れがちになるけど、だから逆に昨日の葵の豹変ぶりは俺を激しく戸惑わせた。 あの真っ黒の絵も。 「…葵、何描くつもりなんだ?」 「うーんと、私の好きなもの」 「イチゴとか?」 「イチゴも描くし…まだないしょー」 「ちぇ」 俺の様子を見て、彼女は楽しそうに笑った。