俺は葵をベットに寝かせたあと、そのそばに座って1人で夜に考えていた。 葵が極度にあの道を行きたがらなかった理由はなんだろうと不思議だったんだ。 葵の視線の先にあったものはなんだった、そう思ってハッとした。 あの赤く照らされた小さな2階建ての家。 彼女はあれを見て、ピタリと歩を止めたんだ。 いやだいやだと首を振る姿は、あの初めての夜、エレベーターを前にした彼女とダブるものがあった。あれと同じ種類の拒絶なんじゃないか。 ということは、つまり。 あの家は葵の?