寒くなってきた気がしたので、部屋に行き、チェストから取り出した適当な短パンと適当なTシャツを着た。
黒に青。俺の好きな色ベスト2、だ。




部屋からリビングに戻ってきてケータイを見たら、美佐からメールが入っていた。
終業式のあと、1度も連絡を取っていなかった。



まあ、終業式は昨日なんだけど。



いつもなら返すのが大変だと感じるほどにたくさん送られてくる細かなメールが来ない、というのは、俺にとって不思議な違和感以外の何物でもなかった。

内容は、しばらくメールしなくてごめんね、という謝罪と、明日遊びに行こうよという誘い。



いい加減、ちゃんとしないと。



頭の片隅にあった思いがだんだんと大きくなってきていた。
そして、焦りの気持も。

だから、いいよ、俺も話あるしと打って、一度消した。
「話ある」なんて言ったら、美佐が疑るかもしれないと思ったので、「いいよ、俺もそう思ってたからさ」と打ちなおして、送信した。



それから、その場に寝転がった。
冷えたフローリングが心地よい。

エアコンの稼働音と、シャワーの音だけが聞こえる。
締め切った窓の向こうに広がるはずの夜の音は、まるでない。



俺はそのまま、意識を手放した。