あの日から1週間が過ぎた。




「ちとせーっ今日さぁ、終業式終わったら遊びに行こうよ!プール開きだよ!半額だよ!」

美佐が嬉しそうに俺に言う。



……そう。
実はまだ、言えていなかった。









「ごめん…今日はパス……」

「えー?じゃあ明日は!?」

「明日…もパス」

「付き合い悪いよー!なんで?なんか用事?」


うぬぼれてるわけじゃない。
でも、うん。
これ以上美佐と一緒にいたら、美佐は俺の話を聞いた時、今よりもっとつらくなる。

人のことを一番に考えてるなんて偉そうなことを言うつもりはもちろんないけれど、きっとそれは真実だから。


サトが毎日のように「はっきりさせなきゃお前も渡里もしんどいだろ」と俺に言ってくれるのだが、そうはいかなかった。

今更ながら、俺って案外小心者だったらしい。