ハコイリムスメ。

1人で生きてきた、なんて突っ張っていたって、そんなことはありえない。

一人きりで生きている人間なんて、この世に一人も居やしない。



食べ物も、水も、街を造っている音も、色も、何もかも、俺じゃない誰かがそこに用意してくれていて。

笑えるのは誰かがいるからで、

怒れるのも誰かがいるからで、

涙が出るほど悲しいことが起きるのも、


誰かがいるからで。




気づいていた。
知っていた。

気付かないふりをしていた。
知らないふりをしていた。

思い出さないようにしていた。
思い出したくなかっただけ。