文化祭?
今、祭りだのなんだのって楽しいことの話なんか、半分も頭に残らない。
ほぼ対極に座るサトのこと、美佐のこと、葵のことで頭の中がはちきれそうだ。




俺は、どうしたらいいんだろう?

出来ることなら、サトとまたバカみたいに笑いあって、残りの学校での時間を過ごしたい。
何もなかったことにして、そうさ、俺から話しかければいい。


殴って悪かったな、って。

やっぱりお前の代わりはいねえからさ、って。


なのに、俺なんかのくだらねえプライドと、葵の笑顔が、美佐の笑顔が、それを邪魔する。


ちゃんと、好きなはずなんだ。
だって美佐が悲しむ顔は見たくない。

だけど、葵が悲しむ顔だって、同じように見たくない。
今まで、辛い目にあってきてるんだ。
これ以上、気づ付く必要なんかないんだ。


…同情?


違う、そんなんじゃなくて。