「お前なぁ、」
イチが何かを言いかけたとき、タイミングよく終業のチャイムがなった。
少し顔をしかめて、唸る。
俺はと言うと、眠くて大あくび。
その俺を横目でチラリ、と見た後、イチはゆるーく首を振った。
「…まぁいいや。ほれ、とっとと教室行け!次は数学だぞ、たしか」
「数学ぅー?最っ低」
「つべこべ言わねぇで!」
「…へーい」
失礼しましたー、と言って、俺は職員室を出た。
後ろからイチの、『上履き!カカト潰すんじゃねえぞちとせ!!』って声が追っかけてきたけど無視。
だって今さら手遅れだしさー…
ぺったんこ。なんていうかスリッパ状態で、歩くとパタパタ微かに音がする。
だっさ。
上履き買い換えようかな、でもどうせまたつぶすしな…
俺がぼんやりとそんなことを考えていたら、前方に人影が見えた。
向こうが薄暗くて、だからよく見えなくて。
目を細めると、相手も俺に気付いた。
「あら谷神くん。今来たの?」
「ちーっす」
俺が薄く笑うと、先生はおかしそうにくすくす笑って、遅刻はダメだよーって言った。
音楽の横田先生。
学校で一番若い先生、男に大人気。
俺はあんまり好きじゃないけど、美人だな、とは、思う。
イチが何かを言いかけたとき、タイミングよく終業のチャイムがなった。
少し顔をしかめて、唸る。
俺はと言うと、眠くて大あくび。
その俺を横目でチラリ、と見た後、イチはゆるーく首を振った。
「…まぁいいや。ほれ、とっとと教室行け!次は数学だぞ、たしか」
「数学ぅー?最っ低」
「つべこべ言わねぇで!」
「…へーい」
失礼しましたー、と言って、俺は職員室を出た。
後ろからイチの、『上履き!カカト潰すんじゃねえぞちとせ!!』って声が追っかけてきたけど無視。
だって今さら手遅れだしさー…
ぺったんこ。なんていうかスリッパ状態で、歩くとパタパタ微かに音がする。
だっさ。
上履き買い換えようかな、でもどうせまたつぶすしな…
俺がぼんやりとそんなことを考えていたら、前方に人影が見えた。
向こうが薄暗くて、だからよく見えなくて。
目を細めると、相手も俺に気付いた。
「あら谷神くん。今来たの?」
「ちーっす」
俺が薄く笑うと、先生はおかしそうにくすくす笑って、遅刻はダメだよーって言った。
音楽の横田先生。
学校で一番若い先生、男に大人気。
俺はあんまり好きじゃないけど、美人だな、とは、思う。

