「ちーとせくんっ?」
「サトは、来ないよ。たぶん」
「なんでー?」
真っ直ぐな目に見つめられると弱る。
汚れてる、だから耐えられないのかも。
ズルい俺はその質問には答えずに逆に訊く。
「おみやげ買ってきてやるよ、何がいい?」
「ほんと!!じゃあね、アイスがいい!!イチゴ!!」
嬉しそうな顔を見ていたら、一瞬何もかも忘れられた。
このまま不登校にでもなろうかなぁ、なんて、ぼんやり思った。
でも、そんな勇気はない。
単位足りなくて留年にでもなったらそれこそ最悪だ。
「氷っぽいの?」
「うん!」
「わかった。じゃ、誰か来ても開けちゃダメだよ」
ぽん、っと頭に手を乗せて言う。
くすぐったそうに葵が笑う。
「わかってるよー」
「ん、行ってくるね」
「うん、いってらっしゃいちとせくん!」
エレベーターに乗る。
途中止まることもなく、1階に着いた。
エントランスの外に出ると、いよいよ厳しくなってきた夏の日差しで、Yシャツの中の素肌まで焦げるように感じる。
来週の今日から、ようやく夏休みだ。
「サトは、来ないよ。たぶん」
「なんでー?」
真っ直ぐな目に見つめられると弱る。
汚れてる、だから耐えられないのかも。
ズルい俺はその質問には答えずに逆に訊く。
「おみやげ買ってきてやるよ、何がいい?」
「ほんと!!じゃあね、アイスがいい!!イチゴ!!」
嬉しそうな顔を見ていたら、一瞬何もかも忘れられた。
このまま不登校にでもなろうかなぁ、なんて、ぼんやり思った。
でも、そんな勇気はない。
単位足りなくて留年にでもなったらそれこそ最悪だ。
「氷っぽいの?」
「うん!」
「わかった。じゃ、誰か来ても開けちゃダメだよ」
ぽん、っと頭に手を乗せて言う。
くすぐったそうに葵が笑う。
「わかってるよー」
「ん、行ってくるね」
「うん、いってらっしゃいちとせくん!」
エレベーターに乗る。
途中止まることもなく、1階に着いた。
エントランスの外に出ると、いよいよ厳しくなってきた夏の日差しで、Yシャツの中の素肌まで焦げるように感じる。
来週の今日から、ようやく夏休みだ。