ハコイリムスメ。


信じられなかった。

信じるしか、選択肢が無かったとしても、信じたくなかった。


だって、そうだろう?





サト?

サトって、なあ…

俺の、親友…の、サトのことだろう?









突きつけられた予想外な答え。

何の重みも質感もない、答え。

俺の目の前に、漂っているこれも、



一つのリアルなのだろうか?








美佐がつけた後そのままになっていたテレビから、俺の今の心境に似つかわしくない笑い声が響く。

美佐は、どうしたのと不安そうに俺の顔を見る。

俺はというと、何を言ったらいいのか全く分からなくなって、誰に何を聞いたらいいのかもわからなくなって、ただただ同じことを頭の中で反芻させていた。


サト?
お前、俺に嘘ついたのか?



考えれば考えるほど、このことしか頭に浮かばなくて、

考えれば考えるほど、サトの気持ちがわからなくなって。




アイツ、何を思って美佐に教えたんだろう?