ハコイリムスメ。

美佐の言葉に、耳を疑う。


「え、ごめん、今なんつった?」
「だから、峰島だってば。峰島」
「峰島…って、峰島サトル?お前、サトのこと言ってんのか?」
「他に峰島が居るんなら、教えてよ」



―――――――――――――― え?
サト?
サト…って、さと、だよな?

他に、いないよな?




居るわけないのに、他の「ミネシマサトル」の存在を頭の中に求めた。
でも、他に思い当たらない。







美佐が嘘ついたとしても、何のメリットもない。

ということは、これは本当。

今目の前に居る美佐、これは、1つのリアルだ。



混乱する頭。

情報処理に、慣れてない。



美佐が言うことが本当、つまりそれは。