席に戻ると、重大なことに気づいた。
左手じゃ、箸使えない。
「フォーク…か?」
そうつぶやいて食器棚に近づこうと席を立ったら、美佐がまあまあ座って!!と席に押し戻してきた。
満面の笑みで、俺に向かって一口大に切り分けたお好み焼きを差し出す。
「…何?」
「はい、あーん」
─────はい?
「いやいやいやいや」
「まーまー、照れないで照れないで」
「や、そゆ問題じゃねえだろ」
「ほらほら」
「だー!もう!!いいってば、左手で食えるから!!」
「まあまあ、そんなこと言わずに!!ほら、あーん」
「い、や、だ!!」
俺が断固拒否!!という姿勢をみせると、むう、と、またふくれっ面をする。
「そんな顔してもダメ!!」
「えー!!?」
美佐は持っていた箸で、保冷材を固定するために巻いた包帯のせいで重症に見えてしまっている右手を思いっきりつついてきた。
いくら怪我が大したことなくたって、痛いもんは痛い。
「っ、何すんだよ!」
俺は右手をかばいながら、半分怒鳴るようにミサに言った。
ところが、いつもなら「えへー」っを笑う美佐の様子がちょっと…いや、かなり違っていた。
急に押し黙り、下を向く。
左手じゃ、箸使えない。
「フォーク…か?」
そうつぶやいて食器棚に近づこうと席を立ったら、美佐がまあまあ座って!!と席に押し戻してきた。
満面の笑みで、俺に向かって一口大に切り分けたお好み焼きを差し出す。
「…何?」
「はい、あーん」
─────はい?
「いやいやいやいや」
「まーまー、照れないで照れないで」
「や、そゆ問題じゃねえだろ」
「ほらほら」
「だー!もう!!いいってば、左手で食えるから!!」
「まあまあ、そんなこと言わずに!!ほら、あーん」
「い、や、だ!!」
俺が断固拒否!!という姿勢をみせると、むう、と、またふくれっ面をする。
「そんな顔してもダメ!!」
「えー!!?」
美佐は持っていた箸で、保冷材を固定するために巻いた包帯のせいで重症に見えてしまっている右手を思いっきりつついてきた。
いくら怪我が大したことなくたって、痛いもんは痛い。
「っ、何すんだよ!」
俺は右手をかばいながら、半分怒鳴るようにミサに言った。
ところが、いつもなら「えへー」っを笑う美佐の様子がちょっと…いや、かなり違っていた。
急に押し黙り、下を向く。

