おかしな話だ。
だって、さあ?美佐は彼女なのに。彼女目の前にして、なんで葵?
自分で自分がわからない。
ぐだぐだ、うだうだ…
答えなんか見つかりっこない事をいつまでも考えてしまう、今日この頃。
美佐が俺の顔を覗き込むようにして見たので、はっと我に返った。
「ちとせ?」
「あ、うん?」
「何ぼんやりしてんのー?焦げちゃうじゃんっ」
「うぇ?…あ、やべ」
慌ててもう一度ひっくり返した。
その時、右手がホットプレートの端に触れて、ヘラを取り落とした。
「熱っ!」
俺の声に美佐が慌てる。
「大丈夫!?」
「っ…地味に痛え……あーもー…俺、バカみたいじゃん」
「冷やした方がいいよ!」
「ん、あ、これ分けて食べて」
「あ、うん」
左手でプレートのスイッチを保温に切り替えた。
その間に、右手の甲がジンジンと痛み始めていた。
もう最悪。
何が最悪かって、もちろん火傷もなんだけど…
この状況が。
うきうき、と音符マークを頭の上に浮かべるようにして、今にも鼻歌を歌いだしそうな美佐。
どんより、と全身に縦線が入ったようにして、心なしか姿勢の悪い俺。
まさに対局の二人が、一つの部屋に居合わせてるのはとても滑稽に思えた。
そもそも、俺は何でこんなに落ちてるんだろう?
ぼーっと考えている頭の隅の方で、流水で冷やすのが一番いいって昔ばあちゃんが教えてくれたのを思い出し、洗面所に行った。
蛇口をひねり、ただひたすら流れ落ちる水に手を浸していた。
「…クソ…痛えなあ…」
自分の不注意のせいなのに、誰かのせいにしようとポツリと独り言を漏らす。
鏡の中の自分と目があって、苦笑するしかなかった。
やっぱ、悪いのは俺。
だって、さあ?美佐は彼女なのに。彼女目の前にして、なんで葵?
自分で自分がわからない。
ぐだぐだ、うだうだ…
答えなんか見つかりっこない事をいつまでも考えてしまう、今日この頃。
美佐が俺の顔を覗き込むようにして見たので、はっと我に返った。
「ちとせ?」
「あ、うん?」
「何ぼんやりしてんのー?焦げちゃうじゃんっ」
「うぇ?…あ、やべ」
慌ててもう一度ひっくり返した。
その時、右手がホットプレートの端に触れて、ヘラを取り落とした。
「熱っ!」
俺の声に美佐が慌てる。
「大丈夫!?」
「っ…地味に痛え……あーもー…俺、バカみたいじゃん」
「冷やした方がいいよ!」
「ん、あ、これ分けて食べて」
「あ、うん」
左手でプレートのスイッチを保温に切り替えた。
その間に、右手の甲がジンジンと痛み始めていた。
もう最悪。
何が最悪かって、もちろん火傷もなんだけど…
この状況が。
うきうき、と音符マークを頭の上に浮かべるようにして、今にも鼻歌を歌いだしそうな美佐。
どんより、と全身に縦線が入ったようにして、心なしか姿勢の悪い俺。
まさに対局の二人が、一つの部屋に居合わせてるのはとても滑稽に思えた。
そもそも、俺は何でこんなに落ちてるんだろう?
ぼーっと考えている頭の隅の方で、流水で冷やすのが一番いいって昔ばあちゃんが教えてくれたのを思い出し、洗面所に行った。
蛇口をひねり、ただひたすら流れ落ちる水に手を浸していた。
「…クソ…痛えなあ…」
自分の不注意のせいなのに、誰かのせいにしようとポツリと独り言を漏らす。
鏡の中の自分と目があって、苦笑するしかなかった。
やっぱ、悪いのは俺。

