「はぁー…」
「?」
マジで予想外…
なんで?ねぇなんで?
左手の大きな紙袋を見る。
これで7万円…
冗談だろ?
俺が遺産暮らしじゃなかったら、破産だぞ破産!!
イライラを表に出さないように気を付けながら歩き、ある店の前で足を止めた。
「っと…ここだ」
「わぁ!!」
ガラス張りの向こうには、たくさんの紙、筆、ペン…などなど。
つまり、文具店。
「入っていいの?ねぇ、ちとせくん」
「うん、葵の色鉛筆とか買うんだよ」
「やったぁー!!ね、早く早く!!」
「ハイハイ、静かにしろよー?」
「するー!!」
半ば引っ張られるようにして店の中へ。
「わぁ!!色がいっぱいある!!」
「あるよー」
「紙もいっぱいある!!」
「あるよー」
そりゃ、専門店ですからね。

