「起きてー。ちとせくーん?」



話が終わると、葵ちゃんを連れてロビーに戻った。
すると、ソファーで寝息を立てている弟分。


「あはは、疲れちゃってんだね…まあ、無理もないか…」


ちとせが1人で暮らすようになって2年。

誰かと四六時中一緒にいるなんて、すごく久しぶりだったんだろう。

葵ちゃんのことだから、迷惑掛けたりはしてないと思うけど…
ああ、そう言えば一緒に寝てるとか言ってたなあ。

寝不足ってわけね?


「疲れてるのー?」

「ちょっと寝かせといてあげようね?」

「はーい」


かわいいなあ。

ちとせのすぐ隣に座って、おとなしく足をブラブラさせている葵ちゃんを見て、漠然とそう思った。

こんな風に素直にいうことを聞くんだもの、ちとせはきっと、この子がかわいくて仕方ないはずよね。