店に入ると、店員のおっちゃんに、さっきのコンビニのマニュアルなんかぶっ飛ばすくらいの威勢で、「らっしゃい!!」と笑いかけられた。

店には店員が一人しかいなかったけれど、混む昼時は、五人くらいいる。

この人とは、知り合いだった。
まさか今日居るとは思ってなかったけど。
向こうも直ぐに俺に気付いて、わはははと、声をあげて笑い始めた。

カウンターに座っていたおじさんが、びくっと顔を上げたのに、まだ笑う。

「ちとせじゃねぇか!!よぉ、朝会うなんて珍しいな!!」

バンバンと肩を叩かれて、まじでぶっ飛びそうになった。

「しかしお前はモテるなぁ!!ついには花田レイコか!!」
「あれは向こうが勝手にさ…」

驚かせてしまったおじさんに申し訳なく思いながらも、一席開けて、二人並んで座った。

「並一個と、特盛一個」
「よく食うなぁ」
「腹減ってんの!!」


葵は眠たそうに目をこすった。

初対面の人間…特に男には過剰反応するくせに…珍しいな。
信(ノブ)さんが陽気に笑ってるから、平気なのかも。



「で、そのかわいーい女の子は?」

オヤジめ。