………………夢を見た。 俺は誰かと笑っていて、その「誰か」を、愛しく感じていた。 その子は俺に背を向けていたから顔は見えなくて、だけど、絶対知っていて。 振り向いたその子を見たとき、ああ、やっぱりなって…納得する自分がいた。 「ちとせくん!」 「あー?」 目を覚ますと、その子が俺の顔を覗き込んでいた。 「やっと起きた」 葵はふふふ、と嬉しそうに笑う。 珍しく、起こされてしまった。 「今何時…」