「ちとせすごいね、芸能人みたい!」

ニコニコ言う美佐。

「嬉しくねー…」

俺、げんなり。



帰りてぇ…サトと葵に会いたい。
葵には黄色いもの買って帰ろう…あ、服が良いかな?サンダルも良いよなぁ…



そんなことをボンヤリと考えていたら、美佐が不服そうに鼻をならした。

「ちとせ、なに考えてるの…?」
「今日の献立」
「へ?何で?ご飯一緒しないの?いつも食べて、ホテル行って、それから帰るのに!!」
「ホテルて…生々しいこと言うなよお前…」

俺の方が恥ずかしいっての。



美佐は、「だってホントのことじゃん、ねぇ、行こうよお、美佐、今日は気合い入れてきたんだからぁ~」なんて、ブーブー文句を言っている。

でも、なぁ…
夕飯作ってきてないし…
サト待たせてるし…

無い頭を動かして、必死に考える。