「........はぁ、」

俺は自動販売機でジュースを買ったあとそばにあるベンチに腰掛けて深くため息をついた。

「............白石、大丈夫だよな?」

周りに聞こえないくらいの声でポツリと呟く。

つい3日前の出来事だった。部活に来た荒井と白石が部室の前で止まっていたので、二人に向かって叫んだ。

「おーい1年!早く着替えてこーい!」

その時だった。荒井の横に立っていた白石が突然倒れたのだ。荒井は何が起こったのかわからない感じだった。俺はすぐに白石に駆け寄り、部員に言った。

「おい!誰か、誰か先生を呼んでこい!!」

「は、はい!!!」

部員の一人が返事をし、先生を呼んでいる間に俺は119番をして救急車を呼んだ。

「もしもし、人が倒れました。すぐに来てください。場所は○○高校です!」

俺が電話をしている間、荒井が慣れない手つきで心臓マッサージを行う。

「おい!!しっかりしろ!」

駆けつけた先生がAEDを使って心肺蘇生をする。

やっと来た救急車にぐったりとした白石が担架に乗せて運ばれていく。

その後、付き添った先生から白石は一命をとりとめたということを聞かされた。

あれから3日たったが、未だにお見舞いに行けていない。その理由は、土曜日にある文化祭の準備で引っ張りだこになっていたからだと思う。
本当は心配で心配で仕方なくて、お見舞いに行きたいのに、行けない。

「........早く終われ文化祭。」