(あれ?聞きなれた....こ....え)

片眼だけあけて必死に見ようとする。でもかすれる。

「おい、大丈夫か?おい!」

「だ........いじ....ょぶ....です、はぁはぁ」

しばらくの間その人は背中をさすってくれた。ようやく少し落ち着き、助けてくれた人のことを見る。

(わっ........綺麗な顔)

「大丈夫か?」

「あ、はい、もう大丈夫です。ありがとうございました。」

あまりに綺麗な顔だったのでドキドキする。

たって立ち去ろうとすると、ふらっとふらついて、抱きとめられた。

「まだ立たない方がいい。保健室行くか?」

「........いえ、大丈夫です。本当にありがとうございました。」

でもその人は肩においた手をはなそうとしない。そして私綺麗な透き通った目でこちらをじっと見ている。

「あ....の....もう大丈夫ですから。手....離してください。」

手を解こうとするが相手は男だ。適うはずもなかった。相変わらずその人はじっとこちらを見ている。

私は緊張を隠すようにもがいた。


そして――――





ギュッと抱きしめられた。