気付くと病院のベッドの上だった。

「あれ?私........。」

目が覚めたことに気づいたのか、父さんと母さんが涙を浮かべて私を上からのぞき込んだ。

「胡蝶?よかったぁ〜。」

母さんの目からは大粒の涙が落ちていた。私をそっと抱きしめる。

「あなた昨日の夜倒れたのよ?病院から電話がかかってきて。」

「........とこの人は?」

「え?」

体が重くて起き上がれない。声も出しにくい。

「お........とこ、の人。たす....けてく....れた。」

「男の人?」

母さんは眉を潜めて首をかしげた。

「そういえば、さっき先生が高校生位の男の子が救急車を呼んでくれたと言っていたな」

「あなた、その男の子とあったの?」

「いや、会ってはない。」

「とにかく、今は寝なさい。」

母さんに促され、目を閉じると、私は意識を手放した。