総合病院から帰ってくると私は友里子に借りていたノートの存在に気付いた。

「あ、返さなきゃ。明日確かこれ提出だったよね?」

私は玄関を飛び出し、友里子の家に向かった。前に友里子に家を教えてもらっていたから道順は大丈夫だ。

(でも結構暗い........。)

もう既に
あたりはすっかり暗くなっていた。

少し恐怖を感じながら、早歩きで友里子の家へ急ぐ。ところが........、

「ねえ、君こんな夜遅くにどこへ行くの〜?」

後ろから高校生らしき男の人が数人。
私は恐る恐る振り返った。男たちはどんどん近づいてくる。

(だめだ。声が出ない。)

「あっ........うっ........。」

気づけば私は目にいっぱい涙を浮かべてた。自然と体が震えている。

「あーあ、泣いちゃったよ。お前のせいだろ?」

私はあまりの怖さに男の子達が何を言っているのかさっぱりわからなかった。

「かっわいー、俺が慰めてあげるー。」

一人の男が私に近づいてきて肩に手をおこうとする。私はかろうじて男の手をはねのけて走って逃げる。

「あっ!おい、逃げたぞ!」

私は力いっぱい走って逃げた。男たちは追いかけてこなかった。


でも

「はぁはぁはぁはぁ........」

自分の心臓を抑える。痛い、苦しい。
私は電柱柱に手をつくと、その場にかがみこんだ。

「ヒューヒューヒュー............。」

(だめだ止まらない。)

と、倒れかけたその時、

「おい!大丈夫か!?」

声がした。

誰?


男の人


わからない


「はっ、ヒュー、ヒュー、ヒュー........。」


男の人は叫び続けてた。でも、視界がかすれて良く見えない。








そして私は意識を失った。