笑顔でいうその子は綺麗なストレート髪で、端整な顔立ちをしていた。

「ねえ、白石さん、ご飯一緒に食べない?」

(あ、そうだった。今昼休みだった。........最近考え事が多過ぎて時間のこと忘れてる。)

と、思いつつ、その子の方を見て答える。

「私なんかと一緒でよかったら。」

「じゃ、遠慮なくー。」

その子はとなりにあった侑馬くんの席にドスンと腰掛けた。

「あたし、加納 友里子よろしくー。」

「あ、私は白石 胡蝶です。」

深々と頭をさげると何故か加納さんに爆笑された。

「ははははっ!そんな面接じゃないんだから、気楽にね?」

そう言われ少し恥ずかしくなる。

「胡蝶って可愛い名前だなーって思ってたんだー。」

「え?そう?」

「うん!胡蝶って呼んでいい?」

「うん、私も加納さんのこと友里子って呼んでいい?」

「もちろん!!友だちでよろしく!胡蝶。」

『友達』

そんな言葉を聞いて目を輝かせた。ご飯を二人で食べていると、友里子が口を開いた。

「ねえ、胡蝶ってさ、菅谷先輩って知ってる?」

いきなりそんなことを言われるもんだから聞き返す。


「え?菅谷?誰それ?」

「そりゃ知らないか。胡蝶、転校してきてまだ一週間だもんね。」

私は友里子の話に耳を傾けた。

「2年の先輩なんだけどね、もうそれはみんなの王子様的な存在なんだよねー。」

「そんなにイケメンなの?」

聞き返すと友里子は大きく頷く。

「そりゃあもう!菅谷先輩はみんなの憧れの的だもん!確か....、サッカー部じゃなかったっけ?」

(あ、侑馬くんと同じ部活だ。)

「エースなんだよ、菅谷先輩。運動もできて顔もいいってどんだけよ。」

「へぇ、見てみたいな。その菅谷先輩とやらを。」

「そりゃーもうイケメンの中のイケメンだよ!少し焼けててスタイルいいし。」

少し興奮気味の友里子。

「なになに?なんの話?」

いきなり話に入られびっくりする友里子と私。声の主は........、

「荒井くん........。」

「誰の話してたの?」

と笑顔で聞いてくる。横を見ると友里子がパクパクと口をあけて固くなってる。

「ああああ荒井くん!?」

(すごいテンパりよう)

そんな友里子の様子にくすりと笑う。

「荒井くん、菅谷先輩つて知ってる?」

「ん?うん、知ってるよ。でもなんで菅谷先輩?」

「友里子と2人で話してたの。菅谷先輩のこと。サッカー部のエースって聞いたんだけどね。」

「ああ、すごいサッカーうまいんだぜ。」

「........会ってみたいな。」

私がそうつぶやくと侑馬くんは何故かさみしそうな顔をした。すると突然さっきまで固まってた友里子が私に顔を近づけてきて

「じゃあさ!今日行ってみよーよ!」