雷はまるで生きた龍のように魔方陣から踊り出ると、その身体をくねらせ、空気の中を泳いでいく。
すると、リカエルさんが前に伸ばしている手のひらの前にある魔方陣に龍はぶち当たった。
リカエルさんは平然と魔方陣を構えている。
くっ……!
まだまだ!
さらに魔方陣に魔力を流し込む。
けれど……。
「あっ……!」
耐えきれなくなった雷が、空気の中に四散していく。
さすがはリカエルさん。
魔方陣を少し操作すると、雷の龍を相殺してしまった。
それを見たあたしは、疲れきってしまった身体を地面に投げ出した。
「っはぁ、はぁ……! リカエルさんはやっぱり強いですね……」
「ありがとうございます。 なかなかだったと思いますが、やはり、あと一押しですね」
リカエルさんは無表情でそんなことを言う。
やっぱりまだダメかぁ……。
「休憩したら、また続きをしましょう。 少し休めば、失った魔力も回復します」
「はぁい」
気の抜けた返事をする。
魔力を失うって、結構ダルい。
魔力って体力とは別なんだけど、魔方陣を出すと魔力はもちろん体力も微量にだけど消費されちゃうみたいだ。
リカエルさんは、冷たい飲み物を用意してくれる。
それはクムといって、地球でいうレモネードのようなものらしい。
あたしはリカエルさんに飲ませてもらった以来、これに虜になってしまい、魔力の訓練のあとに必ず飲ませてもらっている。
カラン……と氷が当たり、涼しい音を奏でてくれる。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

