あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





 どうやら、あたしが倒れたり、ケガをすると使い魔であるシュガーも、ケガを負っていないのに、あたしと同じ苦痛を感じてしまうらしい。


 だから、あたしが倒れたとき、シュガーも気を失ってしまったらしいのだ。


 ゴメン、シュガー……。


 あたしとシュガーは一心同体。


 なくてはならない存在なんだ。



「ゴメンね、シュガー……心配かけて。 もう、大丈夫だから」


 安心させるように、あたしはシュガーの黒いフワフワの毛を撫でる。


 やがてしばらくすると、落ち着いたのか、シュガーはツメを立てるのをやめて床に降り立った。


「でも、シュガーあたしが訓練してるとき、途中から居なかったよね?」

〈っ!〉

「……なに、してたの?」


脇の下に手のひらを差し入れて、顔の前にシュガーを持ち上げ、にっこりと笑みを浮かべながら低い声で問いかけると、シュガーはそろーっと金の目をそらす。



〈ちょ、ちょっと食堂で味見を……〉

「今度からはちゃんと最後まで訓練に同行すること!」



あたしたちの間に、新たなルールが出来た。


約束というか、半ば命令的な感じで、だけど。


叱られたシュガーは耳を伏せ、長い尻尾をだらりと垂らす。



「わかった。 反省したならいいわ」

〈……ごめんなさい〉



ゔっ。


見た目は猫だけど、美少年に謝られてるって考えると、なんだか凄く罪悪感が……。



「お腹空いてるんでしょ?」

〈うん……〉

「なら一緒に食べよう」

〈えっ! いいの?〉



途端にシュガーの顔が跳ね上がり、明るくなる。



「カカオ、シュガーも一緒にご飯食べてもいい?」

「ああ、構わないが」

「いいってさ」



許可を取った瞬間、魔力が立ち上り、その場に赤髪の美少年が現れる。



「やったー! ありがとう、王子! 俺、まおのとなりっ!」



たちまち元気になりやがった……。


調子のいいやつめ。


さっさと自分の席についたシュガーに、呆れると同時に、なんだか笑えてきてしまう。


 それぞれの用意された席について、あたしたちは、和やかに夕食の時間を過ごした。