あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






「夕食になるが……まだつらいなら、休んでいていい。 クコにここに食事を運ばせる」

「……ううん、行く。 もう、大丈夫」

「そうか、ムリはするな」



 そういうと、カカオは薄いワンピース一枚だけの格好だったあたしに、着ていたコートを肩にかけてくれた。


そんなさりげない優しさに、胸が締め付けられた気がした。



 ふたり並んで、トコトコと食堂へと向かう。



「あたし、まだ魔力ちゃんと使えないよね」

「そうだな、まだ一体化はしていないだろう」



 魔力の元に辿り着けたと思ったのに……弾かれてしまった。


 やっぱり、簡単にはいかないよね……。


再び沈黙がこの場を支配した。


と、唐突にカカオがぽつりと告げる。



「それでも、魔力の元に辿り着けただけですごいことだ。 魔力の感覚が分からないというのが俺たちにとってはまったく理解できない。けれど、感じ取ったことのない魔力を感じ取り、その元まで近づくことができたというのなら、それはすごいことだろう」


 そういって、カカオはあたしの顔を優しい表情で覗き込んだ。


今、褒められたの?


 ……なんか。



「カカオ、今日やけに優しいね」



 そういうと、カカオの表情がピキリと固まった気がした。