「……そうなのですか?」



 あ……思わず叫んでしまい、クコは不思議そうな顔で動きを止めた。



「うん。 カカオ、あたしのこと猫みたいに扱うし」



 あたしがぶちぶち悪態をつくけど、クコはニコニコしたまま、どこからからあたしの瞳と同じ青色のドレスを持ってきた。


襟が開いてて、鎖骨がばっちり見えるやつ。


そんなに、フリルはついてないし、足首が見えているからよく小説で見るような本格的なドレスよりは動きやすそうなものだ。



「これに着替えてください」

「え!? これ?」

「はい」


 
 クコは、あたしにそのドレスを合わせた。



「サイズはピッタリですね。 色もまお様の目の色と良くお似合いです」



 なんて、あたしの服脱がしにかかってるし。


 いやいや、確かにあたし、制服のままサーチェルに来たからなぁ~。


 ハッ!


 あたしそういえば、制服のまま寝ちゃってた?


 慌てて身体を見ると……。



「……あれ?」



 あたしの身体を纏っている服は、見慣れた緑の制服ではなかった。


 いつの間にか、麻色のワンピースになっていた。


 なんで変わってんの……!?


 周りを見渡すと、壁に備付けられたハンガー掛けに、制服が汚れも落とされた状態でハンガーにかけられていた。



「もしかして、クコがあたしが寝ちゃう前にあたしを着替えさせてくれたの?」

「え、違いますよ」



 クコは、当然というように、言った。