そのままカカオはあたしを連れて、隣の部屋のドアを開ける。


中は壁側には本棚が並び、仕事をするような机がこちらを向いて窓際にある。


ソファーが手前に置かれていて、その後ろにはさらに隣の部屋に続く扉が見えた。


 他のドアよりちょっと豪華な気がするけど……。


 ここ、どこ?


 あたしのお隣りさんて……。



「誰のお部屋?」



 もしかして、王族直属の魔術師とかかな~。


 それなら魔法を使う仲間だし、仲良くなりたいなぁ。




──なんて、甘い考えは、カカオの言葉によって吹き飛ばされた。


「──ここは、俺の部屋だ」


 ……へ?


「はあぁぁぁあ?」


 カカオと隣の部屋!?


 あたしの絶叫が、城の中に鳴り響いた。