あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





「彼らの王は環境を改善しようなどということは毛頭考えてはおりませんでした。そして破壊だけを繰り返す。 そして数年前にようやく、もう住めないとわかると、あの愚かな王は……この自然豊かなウェズリアを侵略しようと考え出したのです」



 モルガさんの重々しく、低い声が、研究室に静かに響いた。


 なに、それ……。


 酷い、なんて言葉では言い表せない。


 自分たちで好き勝手汚しといて、住めなくなったらそこを捨てて他を侵略しようとするなんて……。


 
「そして近年、オスガリアは侵略を開始し……ウェズリアに攻撃を仕掛けてきたのです」

「そんな……あたしがここに来たとき、そんなことはわかりませんでしたけど……普通にのどかな街って感じでした」



 戦争やってるなんて、感じじゃなかったよ。


 すると、隣にいつの間に来ていたのか、王子が机の資料に目を落とす。



「オスガリアのやつらは攻撃を仕掛けてきたが、戦争になったとは言っていない。 俺たちは魔力を持っている。 やつらの攻撃など、魔法を使って相殺してやった。 だから、ここにはなにも被害はない。 ……今のところはな」



 王子の表情は変わらず、少しだけ眉をひそめた。