目の前に広がっていたのは……。


 石の壁で出来た部屋。


 その中央には、机があり、石の壁には見たこともないような機械が取り付けられていて、机の上には試験官や三角フラスコが並び、カラフルな液体を輝かせている。


 そして、奥の方には白衣を着た男の人がひとり、黒いマントを着た人が数人話し合っていた。


 ここは──研究室のようだった。


 
「これはこれは! 王子!」

「揃っているか」



 王子はスタスタと研究室に入っていく。


 奥にいた科学者やマントをした人たちが王子に気づき、たちまち頭を下げる。


 王子が手を挙げ、科学者さんたちは顔を上げた。


 そして………あたしを見つめた。


 自分に視線が集まって、思わず肩を震わせてしまう。



「この方、『喚ばれたもの』ですか?」



 科学者が眼鏡を持ち上げ、あたしを見つめる。


 さっきメイドさんたちを見てて思ったけど、全員キレイな青い瞳で、なんだかヘンな感じだ。