紗桜に別れを告げたあたしたちは、ウェズリアへと瞬間移動する。


 とたんに景色が変わった。



「……まお様? カカオ様!? ご無事でしたか!?」



 目の前にいたのは、ウェズリアに待機させていた軍隊だ。


 その先頭にいたクコとリカエルさんがあたしたちに気づくと、駆け寄ってきた。


 クコは、その勢いのまま、あたしに抱き着いた。


 ぐえっ。


 の、喉が……絞まる……。



「わ、私っ、とても心配でっ……! ケガはございませんか!?」

「なによ、突然。 あたしは大丈夫よ。 ケガもないし、しかも戦ってなんかないから。 涙を拭きなさい」  

「は、はひっ。 ずびーっ!」



 遠慮なしだな、まったく。


 渡したあたしのハンカチをまた差し出したけれど、遠慮した。