あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






 先に口を開いたのは、シュガーだった。



「──二手に、分かれよう」

「そんな……」



 離れるなんて、不安だよ……。


 それに、誰と誰がわかれるの……?



「私が、行きましょう」


 
 手を挙げたのは、ボルトだった。


つまり、シュガーとボルトがこちらの兵を引きつける役をやると買って出たのだ。



「でも、二人じゃ……!」



相手は数十人もいるのに……!



〈俺たちは、大丈夫だよ〉

「っ!」



突然、シュガーが心の中に問いかけて来て、あたしは顔を上げた。


紺碧の双眸がこちらを見つめて、笑った。



〈俺だって、まおを守りたい。 でも、側で守るのは……俺じゃない〉



その笑顔は、儚くて胸が痛む。



〈それに直接側じゃなくても守れる方法はあるんだ〉

「シュガー……」



あたしとシュガーのやり取りは聞こえていないと思うけど、二人にはその内容がわかったようだった。


そして、ボルトとシュガーは壁から出る準備をする。


ボルトは一瞬こちらを振り返り、



「カカオは、まお様を守るんだ」



パチリとウィンクした。


い、イケメンのウィンクの破壊力……!


そして、ボルトの言った言葉……。


 こんなときなのに、顔が赤くなるのが自分でもわかった。



「ああ」



 カカオは真剣か面持ちで頷く。


 すると、シュガーがカカオに近寄った。


 シュガー?


 シュガーは、カカオの肩に手を置く。


 カカオはそれに気づくと顔を上げた。


二人が仲良くしてるところをあまり見ないから、不思議な感じ。



「気をつけろよ」

「ああ」



 次の瞬間、その顔は苦しげにくしゃりと歪んで……。



「まおを傷つけたら、許さないからな……!」



 シュガーは、絞り出すように言った。


 ぎゅう、と胸が強く締め付けられる。



「ああ……!」


 
 カカオがその手を掴み、強く応える。