そして──恋に落ちていた。
いつのまにか、こんなにも狂おしいほど惹かれてしまっていたんだ。
「まお……」
愛しい彼女の名を呼ぶと、俺は空いている方の手で、彼女の黒髪を撫でた。
そして……。
俺は、その桜色の唇に、自らのそれを寄せた。
ふわりと香る、やわらかい匂いと唇から伝わる甘い体温。
なにもないはずなのになぜか、とても甘く、甘く、感じる。
永遠にも思えるような刻がすぎ、俺はまおから顔を離した。
彼女の顔を、身体を離して見つめる。
そして……。
「──ん……」
白い瞼がピクリと揺れる。
桜色の唇から、吐息が漏れ、彼女は小さく身じろぎをした。
***

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

