あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。







 まおは眠り姫。


 そして相手の王子様は……俺でありたい。


 俺は結局臆病だった。


国を守るには、オスガリアの提案を飲むしかない。


しかし、この提案を呑んでしまうと、ウェズリアはオスガリアの配下になる。


そうすると、ウェズリアの者達は戦による犠牲者はでないだろう。


しかし今までのように自由には生きられなくなる。


この条件を突っぱねれば、オスガリアはウェズリアを侵略する。


そうすると、犠牲者は必ず出てしまうだろう。


犠牲者を出したくないから、俺がオスガリアの姫と結婚すれば丸く収まる……。

 
 俺は、自分の意思すら、自分で決められていなかったんだ。


守るだけで本当の意味で『戦う』という意思を、持っていなかった。


 一歩が踏み出せていなかった。


 最後の一歩で怖じけづいてしまって、踏み出せない。


 けれど、今は……妙にすっきりした気分だ。


 今なら、なんでもできてしまう。


 そんな感覚にすら、陥ってしまう。


 それはきっと……まおのおかげだ。


 まおと出会ってから、少しずつ自分の中で何かが変わっていって、生まれ変わっていった。


 まおの綺麗事も、ありえない妄想でも、まおなら叶えてしまいそうだった。


 いつも、前だけを見ていて。


 誰かのために動いていて。


 何度くじけたとしても、笑顔でまた突き進むんだ。


 その素直さがうらやましくて、もっとまおに近づきたいと、願うようになった。