まおは眠り姫。
そして相手の王子様は……俺でありたい。
俺は結局臆病だった。
国を守るには、オスガリアの提案を飲むしかない。
しかし、この提案を呑んでしまうと、ウェズリアはオスガリアの配下になる。
そうすると、ウェズリアの者達は戦による犠牲者はでないだろう。
しかし今までのように自由には生きられなくなる。
この条件を突っぱねれば、オスガリアはウェズリアを侵略する。
そうすると、犠牲者は必ず出てしまうだろう。
犠牲者を出したくないから、俺がオスガリアの姫と結婚すれば丸く収まる……。
俺は、自分の意思すら、自分で決められていなかったんだ。
守るだけで本当の意味で『戦う』という意思を、持っていなかった。
一歩が踏み出せていなかった。
最後の一歩で怖じけづいてしまって、踏み出せない。
けれど、今は……妙にすっきりした気分だ。
今なら、なんでもできてしまう。
そんな感覚にすら、陥ってしまう。
それはきっと……まおのおかげだ。
まおと出会ってから、少しずつ自分の中で何かが変わっていって、生まれ変わっていった。
まおの綺麗事も、ありえない妄想でも、まおなら叶えてしまいそうだった。
いつも、前だけを見ていて。
誰かのために動いていて。
何度くじけたとしても、笑顔でまた突き進むんだ。
その素直さがうらやましくて、もっとまおに近づきたいと、願うようになった。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

