まおは悩み、そして真実を〈魔女の証〉に託すと、戦争が起きてもウェズリアが侵略されないように、防御結界を張ることを選んだのだ。
結界を解除するには、楔となる〈魔女の証〉を地面から引き抜かなければならない。
しかし、〈魔女の証〉の魔力は強大。
まお以外の魔術師には、触れることも近づく事すらできない。
つまりその結界を解除できるのは、まお自身のみ。
まおを目覚めさせないとダメだ。
つまり、魔力をまおになんとかして補給しないと……。
部屋に着くと、まおはベッドにいた。
淡く赤に染まった頬。
長い睫毛の並んだ、瞼。
桜色の小さな唇。
ベッドに広がったフワフワとカールした、黒髪。
まるで、眠り姫のよう。
もしこれが物語なら。
眠り姫を目覚めさせるには──王子様のキス。
俺は、まおの顔の横に手をついた。
ギシリとベッドのスプリングが軋む。
顔を、まおに近づけた。
ふわりとやわらかい彼女の香りがする。
もしこれが物語なら。
物語通り、王子様のキスによって目覚めるのなら。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

