あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





「まお」

「ははははい!」



 名前を呼ばれ、慌てて王子の方を見ると、彼はあたしを、わずかに睨む。


 おかげで、素っ頓狂な声が出てしまった。


 ……ん?


 今、名前を、呼ばれた?



「あの、今、あたしの名前呼びました?」

「そうだが、なにか問題でもあるのか?」

「いえ、別にありません」



 思わず、確認してしまった。


 変な目で見られたけど、気にしない。


 カカオ王子……あたしの名前、呼んでくれた。


『まお』って。


今すぐ叫びたい衝動に駆られ、唇の内側を噛むことでなんとか堪える。


 何だか、特別な名前のように感じてしまう。


 だって、だって、あんなカッコイイ声で名前呼ばれて、ときめかない方がおかしいでしょ!!


こんな容姿も声も全てが完璧な男の人に名前を呼ばれたら、惚れても仕方ないって!


 胸の奥が、すごくこそばゆい。