「まお」
「ははははい!」
名前を呼ばれ、慌てて王子の方を見ると、彼はあたしを、わずかに睨む。
おかげで、素っ頓狂な声が出てしまった。
……ん?
今、名前を、呼ばれた?
「あの、今、あたしの名前呼びました?」
「そうだが、なにか問題でもあるのか?」
「いえ、別にありません」
思わず、確認してしまった。
変な目で見られたけど、気にしない。
カカオ王子……あたしの名前、呼んでくれた。
『まお』って。
今すぐ叫びたい衝動に駆られ、唇の内側を噛むことでなんとか堪える。
何だか、特別な名前のように感じてしまう。
だって、だって、あんなカッコイイ声で名前呼ばれて、ときめかない方がおかしいでしょ!!
こんな容姿も声も全てが完璧な男の人に名前を呼ばれたら、惚れても仕方ないって!
胸の奥が、すごくこそばゆい。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

