あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






 それでも、不自然な表情なのは自分が一番よくわかっていて。


 少しでも長くカカオといると、それが崩れてしまいそうだった。


 だから、あたしは笑顔を貼り付けたまま、カカオの背を押して部屋の外へと出そうとする。



「やっぱりカカオはそうでなくっちゃね。 国を捨てるなんて言い出したら、あたしが承知しないんだから!」



違う、姫と結婚してほしいわけじゃない。



「まお?」



でも、国を捨てても欲しくない。



「じゃあね、久しぶりに会えて嬉しかったよ!」



会えたのは嬉しかった。


でも、決意が揺らぎそうなの。



「お、おいっ! まお!」



だから、ごめんね。



 わざとらしく声を明るくして、笑顔を貼り付けて、あたしはカカオを部屋から追い出した。


 パタン、と静かにドアが閉まる。


 あたしはそれと同時にドアにもたれかかったまま、へなへなと座り込んでしまった。


 せっかく、久しぶりに会えたのに。


 自分から追い出してしまった。


 思ってもみないことばかり、言ってしまった。


 膝を抱えて、そこに頭をつけた。


 
「カカオ……」



 ゴメン、なにも言わなくて。


 あたしは……。 


 カカオの顔を見てから、決意した。


 あたしは、やる。


 やってみせる。