カカオは一瞬驚きの表情を見せ、険しい顔をした。
「……まだ、わからない。 けれど、俺には国を捨てることなど、できない」
ああ、やっぱり。
「……そっか」
カカオは、カカオだね。
国のことを誰よりも思っていて、誰より傷つけたくない、守りたいと思っている。
あなたのそういった優しいところが大好きだけど……。
今はそのことが、少しだけ……苦しい。
「まお? 何かあったのか? 何かおかしいぞ」
カカオがうつむいたあたしの顔を覗き込むようにして言った。
ああ、なんでいつもは鈍感なのに、こういうところだけはわかってしまうのだろう。
なんで、優しくしてくれるんだろう……。
それが、切なくて。
気を抜けば、涙が熱くなった目頭から溢れてしまいそうだった。
「えっ? ううん、なんでもないの。 本当に!」
心配されたくなくて、泣きそうなのを悟られたくなくて、あたしは必死に笑顔を顔に貼りつけた。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

