あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。



 


 早く、帰ろう。


 あたしは意を決して、中庭を後にした。




 夏のウェズリアの夜はとても蒸し暑く、窓を開けてあたしは寝間着を着て、外を眺めていた。


 生温い風が、頬を撫で、髪を揺らす。


 あれからというもの、シュガーとの絆も感じられるようになっていた。


 カカオは、国を守るために結婚する。


 カカオが他の女の人と、ローズ姫と仲良くしているところなど、見たくない。


 もやもやと、嫉妬が胸を覆い尽くす。


 だけど、姫はとてもキレイな人だ。(性格までキレイかどうかは、理解しかねるが)


 あたしに報告するときは、イヤそうな顔をして姫の話をするけれど、もしかすると、カカオは姫と結婚したいのかもしれない。


 カカオの本当の心なんて、あたしにはわからない。


けれど、たとえカカオが姫のことを好きだったとしても。


この結婚ほど理不尽なものはない。


カカオは皇帝の意図に気づいているのだろうか。


姫は本当の意図をカカオには隠している様子だった。


本当なら、カカオに全てを話してしまいたい。


このままなら、ウェズリアは無くなってしまうと。


真実を告げてしまいたかった。


 でも……。


そんなことをすれば、オスガリアは侵略を開始するだろう。


 ウェズリアのみんなはもちろんカカオにも、傷ついてほしくない。 


みんなを守る。


 そのためには……。