「わたくしに隠し事なんて……ローズは悲しいですわ、カカオ様」
よよよと泣く真似をする姫。
「なぜ、まおのことを知っている」
自分で思っている以上に、低い声が出てしまった。
敬語はどこかに吹き飛んでしまっていた。
それでも、姫は動じず、俺も気にならない。
「それに、“事が思い通りにいった”って、どういう……」
「すぐにわかるはずですわ」
姫は扇を取りだし、顔を扇ぐ。
すぐにわかる……?
なにが……。
そのときだった。
〈カカオ!〉
脳内にボルトの叫び声にも近いような声が響き渡った。
「どうした!」
今日は、ボルトはウェズリアにいて、ついてきてはいない。
ボルトの声は、焦っていてうまく聞き取れない。
ボルトの焦りが移ってしまったのか、声に出さなくても会話はできるのに、それを考える前に声が飛び出す。
「落ち着け! なにがあった!」
こちらも声が大きくなる。
しばらくすると、ボルトは落ち着いたようで、深呼吸をひとつした。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

