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「カカオ様ぁ~!」
「姫」
「いやぁ、ローズって呼んで?」
「…………」
相変わらず俺は、姫の相手をしていた。
今日はいつものベタベタに拍車がかかってる気がするんだが……気のせいか?
「姫、今日はどうしたんですか」
「……ローズでいいっていってるのにぃ~……」
姫はブツブツと、唇を可愛らしく尖らせ、文句を言う。
姫はまるで俺に問いかけてほしいとでもいうように、何かをアピールしてくる。
心の中で一つ、ため息をついて、喉の奥に詰まっていた息を一気に吐き出した。
「何か嬉しいことでもあったんですか?」
「わかりますの? さすがはわたくしの未来の旦那様! カカオ様には全てお見通しですのね」
「…………」
俺は旦那になる気なんてさらさらないんだが。
「ちょっと事が思い通りにいっただけですわ」
「なにかやりたいことでもあったんですか?」
なにも思い当たる節がないので、俺は素直に姫に質問する。
すると、姫は突然表情を一変させ、キッと俺を鋭く睨みつけた。
「カカオ様に関係のあることですわ!」
「俺?」
まさか、結婚はもう決まった、とか?
いや、やめてくれ、そんな寒いこと。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

