あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。



***



「カカオ様ぁ~!」

「姫」

「いやぁ、ローズって呼んで?」

「…………」




 相変わらず俺は、姫の相手をしていた。


 今日はいつものベタベタに拍車がかかってる気がするんだが……気のせいか?


 
「姫、今日はどうしたんですか」

「……ローズでいいっていってるのにぃ~……」



 姫はブツブツと、唇を可愛らしく尖らせ、文句を言う。


姫はまるで俺に問いかけてほしいとでもいうように、何かをアピールしてくる。


心の中で一つ、ため息をついて、喉の奥に詰まっていた息を一気に吐き出した。




「何か嬉しいことでもあったんですか?」

「わかりますの? さすがはわたくしの未来の旦那様! カカオ様には全てお見通しですのね」

「…………」



 俺は旦那になる気なんてさらさらないんだが。



「ちょっと事が思い通りにいっただけですわ」

「なにかやりたいことでもあったんですか?」



 なにも思い当たる節がないので、俺は素直に姫に質問する。


 すると、姫は突然表情を一変させ、キッと俺を鋭く睨みつけた。



「カカオ様に関係のあることですわ!」

「俺?」



 まさか、結婚はもう決まった、とか?


 いや、やめてくれ、そんな寒いこと。