「……まだ、わからない。 けれど、俺には国を捨てることなど、出来ない……」
そうすれば、俺はあの姫との結婚を呑むことになる。
俺は、それでいいのか……?
「…………そっか」
やはり、今日のまおは少しおかしいようだった。
「まお? 何かあったのか? 何かおかしいぞ」
「え? ううん、なんでもないの! 本当に!」
まおはまた、くしゃりと顔を歪めるようにして笑顔を浮かべる。
そして、俺の背中を押して、ドアの方へと押しやり始めた。
「やっぱり、カカオはそうでなくっちゃね。 国を捨てるなんて言い出したら、あたしが承知しないんだから!」
「まお?」
「じゃあね! 久しぶりに会えて嬉しかったよ」
「お、おい! まおっ!」
俺を押し出したまおは、すぐにドアを閉めてしまった。
どうしたんだ? まお……。
モヤモヤは解消できないまま、俺は部屋へと戻った。
このとき、まおに迫りくる闇に気づけていたら、君を傷つけることなど、なかったのに。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

