あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。




   

「……まだ、わからない。 けれど、俺には国を捨てることなど、出来ない……」



そうすれば、俺はあの姫との結婚を呑むことになる。


俺は、それでいいのか……?



「…………そっか」



 やはり、今日のまおは少しおかしいようだった。



「まお? 何かあったのか? 何かおかしいぞ」

「え? ううん、なんでもないの! 本当に!」



 まおはまた、くしゃりと顔を歪めるようにして笑顔を浮かべる。


 そして、俺の背中を押して、ドアの方へと押しやり始めた。



「やっぱり、カカオはそうでなくっちゃね。  国を捨てるなんて言い出したら、あたしが承知しないんだから!」

「まお?」

「じゃあね! 久しぶりに会えて嬉しかったよ」

「お、おい! まおっ!」



 俺を押し出したまおは、すぐにドアを閉めてしまった。


 どうしたんだ? まお……。


 モヤモヤは解消できないまま、俺は部屋へと戻った。







 このとき、まおに迫りくる闇に気づけていたら、君を傷つけることなど、なかったのに。