「ここが、魔界『ウェズリア』だ」
カカオ王子がそういうと、あっという間に目の前に坂が現れ、その奥に黒い城が見えてくる。
もしかして、あれが……王子様のお城!?
壁も屋根も全てが黒い石でできている。
今まで見てきた街並みが真っ白な石造りの建物だったから、余計にその城は目立って見えた。
あたしは、そのお城に目を奪われてしまう。
お城はすっごく綺麗なんだけど。
なんだろう、このお城だけ邪悪な魔界感が半端じゃない気がする……。
これで空に雲が渦巻いて、蔦が城を覆い尽くすように生えていたら魔界のお城の感じがパワーアップするだろう。
あたしが一通り城を眺めたのを確認した王子はまた前を見て手綱を締めた。
お城は切り立った崖の上にあるからお城に着くまでに、ぐるりと坂を登らなきゃいけない。
けれど、何十キロも駆けて来たのにボルトは疲れを見せずに、軽やかに坂を駆け上る。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

