あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。







 それでも……俺は……。


 そのとき、ふとまおの笑顔が脳裏に浮かんだ。


 美しく妖艶な姫とは違い、口を大きくあけて笑うまおの笑顔は、とても美人とは言えない。


 どちらかというと、可愛い。


 こちらも元気にほっこりとした気持ちになれる笑顔だ。


 それを思い出して、気づけば笑みを浮かべていた。



「カカオ様?」

「あ、いや、なんでもない」



 我ながらさすがに気持ち悪かったな……。


 ローズ姫は、ムッと唇を尖らした。



「やはりおりますのね」

「……どういう意味ですか?」

「カカオ様の想いびとです」

「…………」


 
 想いびとなど、いるのだろうか。


 考えても、パッと思いつかない。


 ただ、浮かぶのはまおの無邪気な笑顔……。