あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。







「しかし──」

「ローズはもう、準備は出来ていますわ。 お父様、早くローズは式を挙げたいですわ」


 
 反論する暇を与えず、ローズ姫は俺にしだれかかった。


 プンプンとする薔薇の香りは、やっぱり少しキツイ。


 姫の頭は肩に乗せられているため、息が耳にかかっている。


 そして……。



「カカオ様に想いびとはおりますの?」

「……」

「もしいたとしても……ローズを見れば、しっぽを巻いて逃げ出すに決まっているでしょうけど」




 すごく自信満々な姫は、また不敵に笑った。


 確かに姫は、美人という部類に入ると思う。


 スッと通った鼻の下に位置する、薔薇の花びらのような赤い唇、こぼれそうな碧眼は、金髪ととてもよく合っていた。


 身体つきもスラリとしていて、コルセットにより腰を引き締め、下はふんわりと広がるプリンセスラインのドレスが、より一層身体の細さを引き立てている。