「しかし──」
「ローズはもう、準備は出来ていますわ。 お父様、早くローズは式を挙げたいですわ」
反論する暇を与えず、ローズ姫は俺にしだれかかった。
プンプンとする薔薇の香りは、やっぱり少しキツイ。
姫の頭は肩に乗せられているため、息が耳にかかっている。
そして……。
「カカオ様に想いびとはおりますの?」
「……」
「もしいたとしても……ローズを見れば、しっぽを巻いて逃げ出すに決まっているでしょうけど」
すごく自信満々な姫は、また不敵に笑った。
確かに姫は、美人という部類に入ると思う。
スッと通った鼻の下に位置する、薔薇の花びらのような赤い唇、こぼれそうな碧眼は、金髪ととてもよく合っていた。
身体つきもスラリとしていて、コルセットにより腰を引き締め、下はふんわりと広がるプリンセスラインのドレスが、より一層身体の細さを引き立てている。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

