あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





「わたくし、一目惚れでしたの。 カカオ様はとても強くて、優しくて、カッコイイかたですのね。 ローズは一瞬で心を奪われてしまったのですわ」

「そうですか……」

「それに、わたくしたちが婚儀を交わすことでさらにいいことがありますわ」

「いいこと?」



 聞き返すと、より一層その赤い唇は、妖艶に微笑んだ。



「オスガリアとウェズリアはつながりができ、戦う理由がなくなるのです」


「っ!」



 姫の言葉に、思わず身を固くした。


 つまり、俺が姫と結婚すれば、オスガリアは二度とウェズリアを襲わない。


 しかし、俺が断ればすぐにでも侵略しにくる……そう脅している。


今のオスガリアの兵士たちは確かに負傷している。


ただし、オスガリアの強みは何と言ってもその国民の多さだ。


この王なら、きっと己の欲望のために徴兵をし、まるで紙屑のように国民たちを扱うだろう。


 王を見ると、不敵に微笑んでいる。


 ローズ姫が俺に好意を持っているのは、本当のことだろう。


 王は、それをうまく使った。