「わたくし、一目惚れでしたの。 カカオ様はとても強くて、優しくて、カッコイイかたですのね。 ローズは一瞬で心を奪われてしまったのですわ」
「そうですか……」
「それに、わたくしたちが婚儀を交わすことでさらにいいことがありますわ」
「いいこと?」
聞き返すと、より一層その赤い唇は、妖艶に微笑んだ。
「オスガリアとウェズリアはつながりができ、戦う理由がなくなるのです」
「っ!」
姫の言葉に、思わず身を固くした。
つまり、俺が姫と結婚すれば、オスガリアは二度とウェズリアを襲わない。
しかし、俺が断ればすぐにでも侵略しにくる……そう脅している。
今のオスガリアの兵士たちは確かに負傷している。
ただし、オスガリアの強みは何と言ってもその国民の多さだ。
この王なら、きっと己の欲望のために徴兵をし、まるで紙屑のように国民たちを扱うだろう。
王を見ると、不敵に微笑んでいる。
ローズ姫が俺に好意を持っているのは、本当のことだろう。
王は、それをうまく使った。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

