「わしたちオスガリアも、今回の戦で多大なる損害を受けた。 こちらとしても、もう戦争はしたくはないんだ」
そっちがしかけてきてるくせに……。
思わずそう言いかけて、慌てて喉の奥へと押し戻した。
「わしも平和協定を結ぼうと思っておる。 しかし──条件がある」
「条件とは……?」
そっちが戦争をしかけてきて、条件取り付けるとか……おかしいだろ。
不満が募っていく。
それでも、この戦が終わるなら……と条件を聞くだけ聞くことにした。
「このオスガリア帝国第一王女ローズと婚儀を交わしてもらいたい」
「………婚儀ですか……」
って、はぁ!?
俺は目を見開いた。
王と同時にローズ姫は、クスリと妖艶に笑った。
王はそんな俺と姫を見て、嬉しそうに細い目をさらに細める。
「ローズが王子を気に入ってな。 ローズももうすぐ16。 王子も18だそうじゃないか。 美男美女でお似合いじゃ。 友好関係の証としてウェズリアの王子と我が姫が婚姻を結ぶということになれば国民にも公表できるじゃろう?」
ホッホッホッと、嬉しそうに笑う王。
「カカオ様!」
ローズ姫は、席を立つと俺の横に寄り添った。
腕に自分のそれを絡め、肩に頭を乗せる。
その名の通り、薔薇の濃い香りがした。
キツすぎる……。
それに、初対面でベタベタとくっついてくるなんて……。
俺は引き攣りそうな顔で、なんとか笑顔を浮かべる。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

