あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





 ボルトの脚はとても速く、あっという間にオスガリアと接する場所まで来ていた。


 ボルトから下り、ボルトに身体を小さくする魔法をかけて、肩に乗せる。


 そして、オスガリアに足を踏み入れた。

 
 あいかわらず、環境の悪い場所だ。


 木は枯れてしまっているし、空気も悪い。


煙のせいで視界が霞がかり、前に進むことも嫌になる程。


 顔を思わず歪めながら、しばらく歩くと、城が見えてきた。


石造りの城は、大層金をかけているのだろうが、今はきちんと手入れがされていないのだろう。


あちこちが損傷し、蔦が塔に絡みついている。


 門番などはいなく、警戒心を見せないようだ。


 勝手に入ってこい、ってことか……。


 俺は、ひとつ息を吐くと、意を決して城へと向かった。



 城に入ると、一人の召し使いがうやうやしく頭を下げる。



「ウェズリアの王子ですね」

「……ああ」

「こちらへ」



 まだ若く見える召し使いは、ゆっくりと城の奥へと進んでいく。