あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






 さてと、俺も準備をしなければ。


 俺は執事を呼ぶと、


「これからでかける」


 そう言って、書いていた書類をまとめた。



「どこへ……?」

「口外してはならない場所だ。 帰ってから、皆に話す。 もし、俺の居場所を問われたら、俺は用があり出かけた、とだけ言っておけ。 いいな」

「はい」



 執事は俺の身支度を整えると、下がって行った。


軍服では、まるで戦いに行くようだが、これがウェズリアでは正装なのだから仕方ない。


 マントを羽織りつつ、そのまま窓の外へ飛び降りた。


 この部屋は5階の高さにある。


 ひゅうぅと耳もとで、風がうなり、地面が近づいた。


 そして、ぶつかる瞬間。


 俺の下に、何かが滑り込むのを感じた。

 
 そいつは、高くいななく。



「ボルト。 ナイスタイミングだ」


 
 パンパンと首を叩いてやると、ボルトは嬉しそうにその金の目を細めた。


 窓から飛び降りる前に、ボルトにテレパシーでこの下に来るように命じておいた。


 バッチリのタイミングで、ボルトは来てくれた。



「それでは、行こう」



 俺の言葉に反応してボルトはまた高くいななくと、風のように駆け出した。


 目指すはオスガリア。


 万が一のことを考え、人から認識されないように、身体に透明になる魔法をかけた。